KV-1000/3000/5000/5500の動作確認方法の紹介
1. 概要

このページでは、キーエンスのCPUユニットである「KV-1000/3000/5000/5500」の当社における動作確認方法をご紹介します。当社が具体的にどのように動作確認を行っているのかを知っていただき、少しでも安心してご購入いただけるよう作成しています。
KV-1000については既にメーカーが生産を終了している機種です。しかし私たち保守部品.comは、生産終了した製品を主に取り扱うサイトですので、あえてこの機種も含めて記事を作成しております。
2. プログラムの読み書きの確認(USB/RS-232C/LANポート/SDカードスロット)

当社では、テストプログラムの転送にはプログラミングサポートソフト「KV STUDIO」を使用し、PLCへの読み書きが正常に行えるかを確認しています。また、ユニット正面の操作キーやアクセスウィンドウについても、オールクリア操作を実行し、正常に機能しているかを確認しています。動作確認後にも同様にオールクリア操作を行い、お客様の環境で予期せぬ動作が発生しないようにしています。

当社では、テストプログラムの転送を各機種に搭載されているすべての通信ポートを使用して行っています。KV-1000およびKV-3000の両機種では、USBポートとRS-232Cポートの両方を使用し、KV-5000およびKV-5500では、USBポートに加えてイーサネットポートでも書き込みを行います。これにより、通信ポートが正常に機能し、PLCへのプログラム転送やデータ通信が問題なく行えることを確認しています。 基本的に通信ポートは、過電圧や突入電流のかかる部分ではありませんので、故障していることは滅多にありませんが、お客様が必ず使用するポートですから、しっかりと動作確認を行っています。

KVシリーズには、プログラムのバックアップやロードを行うためのメモリーカードスロットが搭載されています。当社では、メモリーカードを挿入し、実際にセーブとロードの操作を行い、メモリーカードスロットが正常に機能していることを確認しています。 KVシリーズのメモリーカードスロットでは、8GBなど容量が大きいメモリーカードを使用すると、動作が不安定になることがあるようです。安定して動作させるためには、推奨されているメモリーカード容量に近い1GB程度を使用すると良いでしょう。
3. 入出力の動作確認
当社では、プログラム転送に加え、入出力ポートが正常に機能しているかを、当社製作のツールを使用して検査しています。入出力ポートは実際に負荷の接続や外部機器からの信号の入力が行われるため、通信ポートと比較して過電圧や突入電流による内部回路の破損リスクが高くなります。検査では、PLC本体のLEDランプを確認するだけではなく、実際に出力ユニット(KV-C32TD)と当社で製作した動作確認ツールを接続し、信号の受信および出力が確実に行われることを確認します。また拡張ユニットを接続し、拡張ユニットと信号をやり取りすることにより、拡張ユニット接続コネクタの確認も行えます。 動作確認に使用している出力信号の表示ツールは、後に紹介する入出力ユニットの確認にも使用できるよう、最大32点までの信号を確認できるように製作しています。

KVシリーズのPLCには、R000からR009の入力ポートに両方向入力対応のフォトカプラが使用されています。入力コモン(COM0)の極性を入れ替えることで、フォトカプラ内で並列に接続されているLEDが、両方とも機能しているか確認しています。

当社では、入出力ポートの外部インターフェース機器に使用する5Vサービス電源の確認も行っています。一見正常な電圧を示していても、負荷がかかった途端電圧が降下してしまう製品が稀に見受けられます。そういったものを流出させないためにも、単に電圧を測定するのではなく、電子負荷装置を使用して0.1Aの負荷を流した際に、電圧降下が+5Vの±10%以内に収まっているかどうかを確認しています。
4. 動作確認ツールの紹介

当社では、製品ごとに最適化された動作確認ツールを開発し、迅速かつ正確な動作確認を行っています。動作確認ではツールの信頼性が非常に重要となるため、圧着や配線の細部にまでこだわり、製作を行っています。
こちらはツールを製作しているときの様子です。

こちらは動作確認ツールの基板のパターン図です。


こちらは配線図です。
私たち保守部品.comの使命は、確実に動作するFA部品をお届けすることで皆様の生産設備を守ることです。今後も動作確認に力を入れ、お客様が安心してご利用いただけるよう最大限の努力をしてまいります。