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SGDM、SGDH、R88D-Wの動作確認方法の紹介

1. 概要

このページでは、安川電機のサーボパックであるΣ-IIシリーズのSGDH形やSGDM形の当社における動作確認の方法を紹介します。当社が具体的にどのように動作確認を行っているのかを知っていただき、少しでも安心してご購入いただけるよう作成しています。

2. 位置決め動作の確認

当社には独自開発の動作確認ソフトウェアがあります。SGDH形やSGDM形の位置決め動作の確認をするときは、そのソフトウェアの「A1SD75P3パルス発生機能」という機能を使って動作確認をします。「ピッチ送り移動量」の設定を、サーボモータのエンコーダーの1回転あたりの分解能と同じ数値に設定し、正転及び逆転方向にそれぞれピッチ送りを何度も繰り返し行うことで正確な位置決め動作ができることを確認しています。

なお、当社ではサーボパックを動作確認する際は、正しい組み合わせとなるモータを接続した上で動作確認をしています。当社には動作確認用のサーボモータが容量別にストックされており、どんな容量のアンプであっても確実な動作確認ができる環境が整っています。

速度、及び、トルク制御の動作確認をするときも、同じく当社独自開発の動作確認ソフトウェアを使っています。速度制御モードやトルク制御モードでは、与える電圧に応じて速度やトルクを変化させることができるようになっており、速度制御時においては、Pn300が600のときに+6Vで使用モータ定格回転速度となり、トルク制御時においては、Pn400が30の時に+3Vで正方向に定格トルクが出力されるようになっています。このため、このソフトウェアの「A1S62DAアナログ電圧出力機能」という機能を使い、各アナログ入力に与える電圧を変化させ、それぞれ速度やトルクが変化するかを確認しています。この場合においても、正しい組み合わせとなるモータを接続した上で動作確認をしています。

この図は、SGDH形、SGDM形を動作確認するときの回路です。パルスの発生には、三菱電機の位置決めユニット(A1SD75P3)を使用しています。速度・トルク制御用 アナログ電圧の出力には、アナログ出力ユニット(A1S62DA)を使用しています。動作確認時は、予めこの回路図の通りに配線されたケーブルを接続して検査を行っております。

パルス列入力回路の確実な動作確認のために、A1SD75P3から出力するパルスは、「パルス列+符号」方式ではなく、「CW/CCW」方式としています。それに合わせてサーボパックも、ユーザ定数のPn200の「指令パルス形態」の0桁を「1」に設定し、「CW/CCW」方式で受け取るようにしています。こうすることで、サーボパック内部のパルス列入力用のフォトカプラの2つが正常に高速パルスを受け取るかを、より確実に確認することができます。

制御方式の切換えを行う時は、上の図のようにPn000を変更しながら動作確認を行っています。

3. 各入力信号の確認

当社では、アンプにモータを接続し、正確な位置決め動作ができることを確認するだけではなく、SON(サーボON)、P-OT(正転側駆動禁止)、N-OT(逆転側駆動禁止)の各入力が正常に働くかの検査も行っております。これらの入力は、作業者の安全確保や機器の破損防止をするために使われることが多い入力です。このため当社では、この検査は非常に重要という認識を持って確認作業を行っております。

実際の検査においては、前述の回路図のようにアンプのSON(サーボON)、P-OT(正転側駆動禁止)、N-OT(逆転側駆動禁止)の3つの入力を全て0Vに接続しています。同時に、ユーザー定数のPn50Aの1桁・3桁、及び、Pn50Bの0桁を「オフ(Hレベル)」で有効に設定します。その状態でサーボONや正転/逆転の運転を行うことで、それら3つの入力が全て正常であることを確認することができます。

4. パラメータの読み書きの確認

安川電機の提供するSigmaWin+ Ver.5(ACサーボドライブエンジニアリングツール)を使用し、正常にパラメータの読み書きができるかを確認しています。通信ポートには、その用途から考えても内部回路に過負荷や突入電流が流れることがないため、故障していることは滅多にありません。

ちなみに、パラメータの読み書きは、上の写真のディジタルオペレータ(JUSP-OP02A-2)でも可能です。時々ですが当社にも入荷しますので、お探しの方は時々当社サイトをチェックいただければと思います。

なお、このディジタルオペレータは、Σ-IシリーズのJUSP-OP02A-1とケーブルのみが異なるだけで本体は同じものです。ケーブルの型番は、JZSP-CMS00-1(長さ1m)、JZSP-CMS00-2(長さ2m)、JZSP-CMS00-3(長さ3m)のいずれかになります。ちなみに、このディジタルオペレータを接続している間は、本体のLEDモニタは表示がストップします。

5. ソフトVerの調査

当社では必ずサーボパックのソフトVerを調べ、商品ページに記載するようにしています。同じ型番でもソフトVerによって若干の違いがある場合があるためです。前シリーズのΣ-IシリーズにはモータにはソフトVerがなかったのですが、上の画像の通り、Σ-IIシリーズからはモータにもソフトVerが付くようになりました。

6. オムロンのR88D-W形の動作確認について

実はオムロンのR88D-W形と安川電機のSGDH形は、外観は異なりますが中身は同じものです。安川電機がオムロンにOEM提供しているものだからです。このため、このため当社では、安川電機のSGDH形と同じ方法でオムロンのR88D-W形の動作確認を行っております。

オムロンのR88D-W形と安川電機のSGDH形は中身が同じですから、安川電機のSigmaWin+(ACサーボドライブエンジニアリングツール)を用いてパラメータの設定や状態モニタが可能です。

先ほどの写真ではオムロンのサーボパック「R88D-WT30H」と、同社のサーボモータである「R88M-W3K030H」を接続しています。この状態で、SigmaWin+を立ち上げて最初の画面でサーボパックとの通信を開始すると、サーボパックが「SGDH-30AE」と認識され、上の画面のように表示されます。このことからも、SGDH-30AEとR88D-WT30Hは同じものであることがわかります。このようにして、いくつかのサーボパックの動作確認をしていきますと、安川電機とオムロンの型式は以下のように対応していることがわかります。

電圧安川電機オムロン
200V用SGDH-□□AER88D-WT□□H
100V用SGDH-□□BER88D-WT□□HL

また、SigmaWin+の「製品情報読み出し」という機能を使うと、上の画像のように「R88D-WT30H」というように、オムロンの形式そのままで表示されます。同様にモータのほうも「R88M-W2K030H-B」と表示されます。このように、SigmaWin+は安川電機のパラメータ設定ソフトウェアでありながら、オムロンのサーボパックに対してもパラメータの設定や状態モニタが可能です。

しかも少なくとも私たちが動作確認した機種については全て、主回路電源端子から制御電源端子、入出力信号用コネクタ、エンコーダ用コネクタに至るまで、すべてのコネクタが共通となっていました。

さらに、「シリアルNo」というところをクリックすると、オムロン製品であっても、サーボパックとモーターのそれぞれのシリアルNoが表示されると共に、「製造年月」も表示されます。当社サイトの商品説明では、ここから得られた情報を掲載するようにしています。

7. 備考

SGDM形やSGDH形の型番の末尾にYから始まる記号が付くサーボパックは、特殊仕様のサーボパックです。メーカーがその顧客の要求仕様に合わせて予めパラメータを入力してあり、設定が変更ができないようになっている場合があります。特殊仕様のアンプはオークションサイトでよく見かけます。もし、特殊仕様のアンプをご購入なさった場合は、自由にパラメータの変更ができない場合がありますので注意が必要です。

8. 当社で動作確認可能なSGDM形、SGDH形、R88D-W形の一覧表

このページでは、SGDM形やSGDH形の動作確認方法についてご説明してきましたが、下記の表の通りSGDP形やSGDJ形も動作確認可能です。ここで紹介した方法とほぼ同じ方法で動作確認しています。

モデルタイプ電圧型番
SGDM 200V SGDM-A3ADA
SGDM-A5ADA
SGDM-01ADA
SGDM-02ADA
SGDM-04ADA
SGDM-05ADA
SGDM-08ADA
SGDM-15ADA
SGDM-20ADA
SGDM-30ADA
SGDM-50ADA
100V SGDM-A3BDA
SGDM-A5BDA
SGDM-01BDA
SGDM-02BDA
SGDH 200V SGDH-A3AE
SGDH-A5AE
SGDH-01AE
SGDH-02AE
SGDH-04AE
SGDH-08AE
SGDH-15AE
SGDH-20AE
SGDH-30AE
SGDH-50AE
100V SGDH-A3BE
SGDH-A5BE
SGDH-01BE
SGDH-02BE
SGDP 標準タイプ 200V SGDP-A3AP
SGDP-A5AP
SGDP-01AP
SGDP-02AP
SGDP-04AP
SGDP-08AP
100V SGDP-A3BP
SGDP-A5BP
SGDP-01BP
SGDP-02BP
絶対値エンコーダ
フルクローズド対応タイプ
200V SGDP-A3APA
SGDP-A5APA
SGDP-01APA
SGDP-02APA
SGDP-04APA
100V SGDP-A3BPA
SGDP-A5BPA
SGDP-01BPA
SGDP-02BPA
SGDJ 速度・トルク制御用 200V SGDJ-A3AP
SGDJ-A5AP
SGDJ-01AP
SGDJ-02AP
SGDJ-04AP
100V SGDJ-A3BP
SGDJ-A5BP
SGDJ-01BP
SGDJ-02BP
位置制御用 200V SGDJ-A3AS
SGDJ-A5AS
SGDJ-01AS
SGDJ-02AS
SGDJ-04AS
100V SGDJ-A3BS
SGDJ-A5BS
SGDJ-01BS
SGDJ-02BS
R88D-W 汎用入力タイプ 200V R88D-WTA3H
R88D-WTA5H
R88D-WT01H
R88D-WT02H
R88D-WT04H
R88D-WT05H
R88D-WT08H
R88D-WT20H
R88D-WT30H
R88D-WT50H
100V R88D-WTA3HL
R88D-WTA5HL
R88D-WT01HL
R88D-WT02HL
R88D-WN MECHATOROLINK-II
通信内蔵タイプ
200V R88D-WNA5H-ML2
R88D-WN01H-ML2
R88D-WN02H-ML2
R88D-WN04H-ML2
R88D-WN05H-ML2
R88D-WN08H-ML2
R88D-WN10H-ML2
R88D-WN15H-ML2
R88D-WN20H-ML2
R88D-WN30H-ML2
100V R88D-WNA5L-ML2
R88D-WN01L-ML2
R88D-WN02L-ML2
R88D-WN04L-ML2
モデルSGDM
タイプ
電圧200V
型番SGDM-A3ADA
SGDM-A5ADA
SGDM-01ADA
SGDM-02ADA
SGDM-04ADA
SGDM-05ADA
SGDM-08ADA
SGDM-15ADA
SGDM-20ADA
SGDM-30ADA
SGDM-50ADA
モデルSGDM
タイプ
電圧100V
型番SGDM-A3BDA
SGDM-A5BDA
SGDM-01BDA
SGDM-02BDAA
モデルSGDH
タイプ
電圧200V
型番SGDH-A3AE
SGDH-A5AE
SGDH-01AE
SGDH-02AE
SGDH-04AE
SGDH-08AE
SGDH-15AE
SGDH-20AE
SGDH-30AE
SGDH-50AE
モデルSGDH
タイプ
電圧100V
型番SGDH-A3BE
SGDH-A5BE
SGDH-01BE
SGDH-02BE
モデルSGDP
タイプ標準タイプ
電圧200V
型番SGDP-A3AP
SGDP-A5AP
SGDP-01AP
SGDP-02AP
SGDP-04AP
SGDP-08AP
モデルSGDP
タイプ標準タイプ
電圧100V
型番SGDP-A3BP
SGDP-A5BP
SGDP-01BP
SGDP-02BP
モデルSGDP
タイプ絶対値エンコーダ
フルクローズド対応タイプ
電圧200V
型番SGDP-A3APA
SGDP-A5APA
SGDP-01APA
SGDP-02APA
SGDP-04APA
モデルSGDP
タイプ絶対値エンコーダ
フルクローズド対応タイプ
電圧100V
型番SGDP-A3BPA
SGDP-A5BPA
SGDP-01BPA
SGDP-02BPA
モデルSGDJ
タイプ速度・トルク制御用
電圧200V
型番SGDJ-A3AP
SGDJ-A5AP
SGDJ-01AP
SGDJ-02AP
SGDJ-04AP
モデルSGDJ
タイプ速度・トルク制御用
電圧100V
型番SGDJ-A3BP
SGDJ-A5BP
SGDJ-01BP
SGDJ-02BP
モデルSGDJ
タイプ位置制御用
電圧200V
型番SGDJ-A3AS
SGDJ-A5AS
SGDJ-01AS
SGDJ-02AS
SGDJ-04AS
モデルSGDJ
タイプ位置制御用
電圧100V
型番SGDJ-A3BS
SGDJ-A5BS
SGDJ-01BS
SGDJ-02BS
モデルR88D-W
タイプ汎用入力タイプ
電圧200V
型番R88D-WTA3H
R88D-WTA5H
R88D-WT01H
R88D-WT02H
R88D-WT04H
R88D-WT05H
R88D-WT08H
R88D-WT20H
R88D-WT30H
R88D-WT50H
モデルR88D-W
タイプ汎用入力タイプ
電圧100V
型番R88D-WTA3HL
R88D-WTA5HL
R88D-WT01HL
R88D-WT02HL
モデルR88D-WN
タイプMECHATOROLINK-II
通信内蔵タイプ
電圧200V
型番R88D-WNA5H-ML2
R88D-WN01H-ML2
R88D-WN02H-ML2
R88D-WN04H-ML2
R88D-WN05H-ML2
R88D-WN08H-ML2
R88D-WN10H-ML2
R88D-WN15H-ML2
R88D-WN20H-ML2
R88D-WN30H-ML2
モデルR88D-WN
タイプMECHATOROLINK-II
通信内蔵タイプ
電圧100V
型番R88D-WNA5L-ML2
R88D-WN01L-ML2
R88D-WN02L-ML2
R88D-WN04L-ML2

私たち保守部品.comの使命は、確実に動作する製品をお届けすることで皆様の生産設備を守ることです。今後も動作確認に力を入れ、お客様が安心してご利用いただけるよう最大限の努力をしてまいります。

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